世界トップシェアを誇るバイク生産国の日本ですが、近年は若者のバイク離れが加速しつつあります。その背景には様々な問題が浮き彫りになっており、一過性のものではない事が分かります。
かつて日本では空前のバイクブームがありました。十代の若者も虜にする国産バイクブームは、やがて暴走族などの問題へと発展していきます。そこで声を上げたのが全国に組織を持つPTAなどです。学生がバイクに乗ると暴走族が増えると懸念されて、学生に免許を取らせない・乗らせない・買わせないという運動が起こります。この問題が長引いたことで人気低迷の大きな要因になったと言われています。
またバイクに乗りにくい状況も落ち込みの原因に直結しています。二輪車の法律や高速道路での乗車方法、有料道路や高速道路の利用料金や二輪駐車場の不足などが、バイクに乗りにくい状況を作っています。そしてバイクメーカーの海外進出や業績低迷も、国産バイクが衰退した原因になっています。
海外では大型バイクの人気が高いですが、日本では人気にバラつきがあります。メーカーの視点で見てみると、人気が一定している方が効率良く作れるため、国産バイクのシェアは年々減少傾向にあります。けれどもバイクは小回りがしやすく渋滞にもハマらない優れものなので、便利な乗り物であることは間違いないです。バイク問題だけでなく、地域社会と道路状況を考えた時、バイクの存在はどう位置付けるのか、考える必要があります。